2008年1月26日土曜日

牛乳の値段が上がるらしい。

最近、ちょいと気になるのが乳価引き上げの話。

穀物の価格が高騰の影響を受けてか
酪農家を直撃しているらしい。

で、ホクレンと乳業メーカーの間で生乳の価格が
8%増の79.2円になることで妥結したらしい。
(by1月25日道新)


しかし、道新のスタンスは疑問が大きい。
酪農が他産業に与える影響が大きいので
国や道は積極的に支援すべきだと。

う~ん・・・。

違和感を覚える。


まぁ、この道新のスタンスはさておき、
乳価を上げるのは確かに止むを得ないことであろう。

しかし、牛乳は他の飲料と比べて高い。

メグミルクの希望小売価格は実は230円だったようだ。
まぁ、値上がりして240円になるようだが。

生協で1本200円弱だったかな。


ここで疑問が沸く。

何故、生乳の価格はリッター当たり
79円なのに店頭では200円近くなってしまうのか。

製品化、流通の過程で
どうしてもマージンその他の経費が発生するため
であるのかもしれない。


それはそれで仕方ないとして、
乳業メーカーは牛乳市場が縮小している現状を
どうとらえているのだろうか。

仕入れ価格が上がったから価格に転嫁せざるを得ない。


これはある意味当然の姿勢だが、
値上げに伴って市場の縮小に拍車がかかってしまう
のではないだろうか。


ミルクランド北海道は結構、
白いプリンも北海道の菓子メーカーがやってるだけ。

あれ?乳業メーカーは??

乳業メーカーにおいて
牛乳・乳製品の市場を広げる取り組みが
進んでいないように思うのは俺だけ?


まぁ、このまま行けば牛乳の市場が縮小して
結局価格を下げざるを得なくなってその影響が
酪農家に行く。

そうなれば酪農家はやっていけなくなって
廃業に追い込まれてしまう。

もちろん価格引下げでメーカーの経営も苦しくなって
廃業の危機に立たされるかもしれない。

そんなシナリオも考えられる。



乳業メーカーと酪農家の
企業努力が問われているように思います。

2008年1月13日日曜日

農業の社会的な意義・役割とは。

ふと思った。
農業、農業者の果たすべき役割とは何だ?と。

日本農業は基本的に家族経営。
故に農業者として第一に家族の生活を守る。
ということがあるだろう。

しかし、それだけで農業は経営できるものだろうか。

自分の家族の生活を守るために働くのは
第一であっていいと思う。

しかし、それだけではなく、
果たせる役割はちっぽけでもいいから
仕事の社会的な意義・役割を
見据えておく必要はないだろうか。

「あなたは何故、何のために農業をしているのですか?」

その問いにきっぱりと
回答できる農家がどれだけいるだろうか。

近所の農家はもちろんのこと、
お世話になった農家とここまで深く突っ込んで話をしたことは
皆無に等しいので分からない。
(酒に酔って覚えていない可能性もアリ。)


ただ、上述した問いに対する回答として
「実家が農家だから」
「サラリーマンはやりたくないから」
などのネガティブな回答が多いように感じている。

だから農業は魅力的でないんだよ。
そう言いたくもなる。


もちろんきっかけはそうかもしれない。
でも、農業を「経営」するからには農業の社会的な意義・役割を
見据えていてもいいと思う。

そうじゃないと仕事が面白くないと思う。


そこで農業の社会的な意義・役割とは何かについて考察したい。

俺が考える農業の意義・役割は
「食料を安く安定的に生産し人々に供給すること」
である。

多面的機能とかそんなのは二の次でいい。


食料とはどんな性質を持っているのか考えてみた。


1.食料とは人々が生活する際に必ず必要とする財である。

これが失われると人間の生存、
すなわち安全保障に関わる問題が発生する。

戦後の食料難やらアフリカの飢餓を見れば自明である。

車やパソコンがなくても生きることはできる。
仮にいくらお金を持っていようとも
食料が手に入らないとなれば死を待つしかない。


2.食料とは気象によって生産量が変動する財である。

これも敢えて言わなくても分かることではあるが、
気象の影響を受けやすい。

ここ数年のオーストラリアやアメリカの干ばつに代表されるように
その年の気象によって生産量が大きく左右される。
93年だったか、冷夏によって
米の大凶作が発生したことも記憶に新しい。

生産量が著しく低下し、
需要に対して供給量が少なくなれば価格が高騰するのは
言うまでもない。


食料はこの2点の性質を特に持っていると考えられる。
他にもあるかもしれないが。

そしてこの2点の性質が
「安く・安定的に」というキーワードの根拠である。



さて、もう一つのキーワード「供給すること」について考えてみる。
この観点がポイントである。

いくら価格が安く手ごろであっても、
安定的に生産できたとしても、
需要に応えていなければ食料を生産する意味がない。

特に日本のように食文化が多様化したマーケットにおいては
人々が何をどんな物を求めているのかというニーズを敏感に察し、
そのニーズに応えなければ
食料を供給するという役割を果たせない。

iPodを欲しがっている人にMDプレーヤーを売ったところで
それは押し売りでしかない。

故に供給するためにマーケットのニーズを読み取り、
ニーズに応える財を供給してこそ意義のあることだと思う。



以上より農業とは、
食料を安く生産することと安定的に生産することで
価格の高騰を避け、
手ごろな値段で人々が食料を確保することを容易にすると共に、
人々が求める品物を生産することで人々のニーズを満たすことに
社会的な意義・役割があるものだと考える。


では、そのためにどのような手立てが考えられるかという点について
アイディアとしては
・ 生産体系、資材・農産物流通体系の見直し
・ 気象と生産のデータ化
・ インターネットを利用したマーケティング

などがあるがこれはまた後日。

勉強不足故にあくまでもアイディアとしての話になるが
乞うご期待。

2008年1月9日水曜日

農業協同組合は必要か?

1回目のブログを書いてから1週間が経ちました。
週2回の更新というのはキツイかも分からん。

最近、よく思うのが農業協同組合という組織は必要なのだろうか?
ということ。


よく「農協のための農協」とか「農協は仕事をしていない」
といった批判を耳にすることがある。

ここで敢えて注意したいのは
農協の「機能」と「組織」は
分けて考えるべきではないだろうかということ。

親父とも話をするなかで、
また自らが経営していくと仮定したときに
農協の持っている機能は
農家にとって非常に重要であるということを感じるのも確か。

購買であったり金融であったり。

やはり個々の農家単独では非効率な資材の購入であったり
生産物の販売を
農協が一括して取りまとめることによって
効率化が図られているという側面もあるように思える。


しかし、農協はあくまでも組合組織である。
農家の集合体である。

一企業として考えたときに
農協という企業の経営力・競争力はいかがなものか?
という疑問がある。

どこの農協も同じだとは思うが
農協の組合長(民間企業でいう社長)は農家が務めている。

農家はあくまでも家族経営。

家族経営で意思決定及び業務の実行は基本的に自分、
人を動かす能力があるようには思えない。

ましてや組合という性格上、
トップダウンが認められる企業文化にはないであろう。

この2点を考えると、
効率的な農協の運営は行われにくいのではないだろうか
と考えざるを得ない。

そして、農協運営の非効率さが
農協批判につながっているのではないだろうか。


そこで常々俺自身が考えていることだが
組合から株式会社へ組織体を転換してはどうだろうか。
「農業協同組合」から「農業株式会社」へ。

株式会社という社長がリーダーシップを当たり前の形態に転換し
企業経営に精通した人材をトップに据えることで
経営の効率化が進められるようになると考えられる。

しかしその一方で企業として利益をただ追求することになり、
農家の利益にならなくなるのではないか?
という批判も考えられる。

しかし、会社にとっての主な顧客は
農家ということになる。

顧客に対して何らかの価値を提供できなければ
企業は存在し得ない。
すなわち農家に対しての価値最大化に
企業として務めるようになると考えられる。

そうすれば新しいサービスであったり
事業が創造されると共に、
企業経営の効率化が図られるようになるのではないだろうか。



農協のあり方に関してはまだまだ議論の余地があるとは思うが、
株式会社も選択肢の一つではないだろうか。

いかがなもんでしょう?

2008年1月1日火曜日

はい、1発目のブログです。

2008年もいよいよ始まりましたね。
明けましておめでとうございます。


さて、このブログは
日本農業系学生会議JASC実行委員会の代表が
日本の農業を主なテーマとして
つらつらと書き綴るブログであります。

完全に代表の主観によるブログ記事の展開なので
異論反論があった際には
コメントないしはJASC掲示板「畑の上の座談会」にて
議論を展開しましょう。笑

(実家にて風呂上りにスーパードライを飲んだため若干酔ってます。)


=====

では早速、本題に入りますか。

今日はとりあえず第1回目のブログということもあるので
自己紹介も交えつつ(自他称)エロ代表のゆーいちが
どのようなテーマについて興味を持っているのか洗い出してみるとする。


俺は実家が十勝が複合経営の農家である。

そのため農業に興味を抱くバックグラウンドは持っていて
当然なのかもしれない。

近所はみな農家。しかも50町歩から耕作する農家ばかり。

聞くところによると農協に頼らない経営を行う農家が
増えつつあるようだ。


そう、最近の関心事の一つに「農協」がある。

巷ではよく農協批判を耳にするが
詳しいところは知らない。

ただ、直感として
「農協は機能しなくなってきつつあるのではないだろうか」
と、思うところが大きい。

何せ農協を通さない農家が出てきているのだから。
細かい話についてはまた後日。



また、やはり欠くことのできない最近の動きとして
バイオ燃料の動きが気になる。

最近はリアルに食料の価格が高騰し始めている。
特に小麦・大豆由来のエネルギー利用が加速していくと
もっともっと食料の価格は高騰するであろう。

今の日本は豊かな経済力を背景とした「お金」で
食料を手に入れることが出来ているが、
お金で食料が買えなくなったらどーするんだ?と、
常々危惧している。

この観点から食料安全保障についての危機意識も高い。



さらに、FTAについても考えることが多い。
特に現在話題の日豪FTA。

こんなことを言ったら怒られるかもしれないが、
安部政権時に2度農水大臣が交代することになったのは
日豪FTAがからんでいるのではないだろうか。

と、勝手に推測している。

日本の農家は経済活動よりも政治活動に熱心故に。
冬になったら陳情に上がってる。
アホらしい。



そして、高校~大学と学んできている
農業土木への関心も全くないわけではない。

数年前に問題になった諫早湾開拓事業をはじめとして
現在の農業土木事業(正しくは農業農村整備事業、通称NN事業)は
日本農業に本当に貢献しているのか疑問である。

「農家のため」というよりは
「農村振興局&農業土木業者のため」という色合いが
強い気がしてならない。



とりあえずつらつらと大きく4つのテーマを取り上げたが
最近の最大の関心事は「アグリビジネス」である。

一旦、会社に就職した後に、
実家を継いで農業法人化を成し遂げた暁には
農業を基盤としたビジネスを展開したいと考えている。

なぜか。

「おいしい食料を出来るだけ安く国民に届けるのが農業の使命である」
と考えたからである。

この点についてもまた後日、述べることにしよう。

農業生産、食料生産を基盤として
ビジネスとして消費者のため、地域のため、日本のためにどのように貢献できるか
ということを突き詰めて考えていきたいと思う。



以上、テーマをまとめると

・ 農協の機能と存在意義
・ バイオ燃料と食料安全保障
・ 貿易自由化と日本農業
・ 農業土木事業の現状と今後の課題
・ アグリビジネスの展開方向と課題

のこれら5点について書き綴っていく方向でいます。

時には話題が少し脱線して環境であったり、
貿易にも話が及ぶかもしれませんが了承を。


基本的に気まぐれ更新を前提としていますが、
週に2回以上は更新できるように頑張りたいと思うので
よろしくお願いします。m(_ _)m

これからの「代表の小言」について乞うご期待。