2008年1月13日日曜日

農業の社会的な意義・役割とは。

ふと思った。
農業、農業者の果たすべき役割とは何だ?と。

日本農業は基本的に家族経営。
故に農業者として第一に家族の生活を守る。
ということがあるだろう。

しかし、それだけで農業は経営できるものだろうか。

自分の家族の生活を守るために働くのは
第一であっていいと思う。

しかし、それだけではなく、
果たせる役割はちっぽけでもいいから
仕事の社会的な意義・役割を
見据えておく必要はないだろうか。

「あなたは何故、何のために農業をしているのですか?」

その問いにきっぱりと
回答できる農家がどれだけいるだろうか。

近所の農家はもちろんのこと、
お世話になった農家とここまで深く突っ込んで話をしたことは
皆無に等しいので分からない。
(酒に酔って覚えていない可能性もアリ。)


ただ、上述した問いに対する回答として
「実家が農家だから」
「サラリーマンはやりたくないから」
などのネガティブな回答が多いように感じている。

だから農業は魅力的でないんだよ。
そう言いたくもなる。


もちろんきっかけはそうかもしれない。
でも、農業を「経営」するからには農業の社会的な意義・役割を
見据えていてもいいと思う。

そうじゃないと仕事が面白くないと思う。


そこで農業の社会的な意義・役割とは何かについて考察したい。

俺が考える農業の意義・役割は
「食料を安く安定的に生産し人々に供給すること」
である。

多面的機能とかそんなのは二の次でいい。


食料とはどんな性質を持っているのか考えてみた。


1.食料とは人々が生活する際に必ず必要とする財である。

これが失われると人間の生存、
すなわち安全保障に関わる問題が発生する。

戦後の食料難やらアフリカの飢餓を見れば自明である。

車やパソコンがなくても生きることはできる。
仮にいくらお金を持っていようとも
食料が手に入らないとなれば死を待つしかない。


2.食料とは気象によって生産量が変動する財である。

これも敢えて言わなくても分かることではあるが、
気象の影響を受けやすい。

ここ数年のオーストラリアやアメリカの干ばつに代表されるように
その年の気象によって生産量が大きく左右される。
93年だったか、冷夏によって
米の大凶作が発生したことも記憶に新しい。

生産量が著しく低下し、
需要に対して供給量が少なくなれば価格が高騰するのは
言うまでもない。


食料はこの2点の性質を特に持っていると考えられる。
他にもあるかもしれないが。

そしてこの2点の性質が
「安く・安定的に」というキーワードの根拠である。



さて、もう一つのキーワード「供給すること」について考えてみる。
この観点がポイントである。

いくら価格が安く手ごろであっても、
安定的に生産できたとしても、
需要に応えていなければ食料を生産する意味がない。

特に日本のように食文化が多様化したマーケットにおいては
人々が何をどんな物を求めているのかというニーズを敏感に察し、
そのニーズに応えなければ
食料を供給するという役割を果たせない。

iPodを欲しがっている人にMDプレーヤーを売ったところで
それは押し売りでしかない。

故に供給するためにマーケットのニーズを読み取り、
ニーズに応える財を供給してこそ意義のあることだと思う。



以上より農業とは、
食料を安く生産することと安定的に生産することで
価格の高騰を避け、
手ごろな値段で人々が食料を確保することを容易にすると共に、
人々が求める品物を生産することで人々のニーズを満たすことに
社会的な意義・役割があるものだと考える。


では、そのためにどのような手立てが考えられるかという点について
アイディアとしては
・ 生産体系、資材・農産物流通体系の見直し
・ 気象と生産のデータ化
・ インターネットを利用したマーケティング

などがあるがこれはまた後日。

勉強不足故にあくまでもアイディアとしての話になるが
乞うご期待。

1 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

自分は、農業が好きで農家を継ぐことに向けてがんばっちょります。


農業の意義と役割ということですが。
多面的ということは外すと言うことで、
「食料生産」が主たる役割ですよね。
後は、生活するための職業。

人口が少なければ、生産する事もないく、採取生活で、、、昔々の話