食料自給率シリーズです。
part.1では自給率の数字にこだわる必要はないということ、
感覚的に「自給率が低い」ということが知られていない
ということについて考えてみた。
今回は何について書こうか。
食料自給率は高いに越したことはない。
なぜ、こうも低下してしまったのか。
一般的に言われている理由は
国内農業の衰退と食生活の変化といって間違いないだろう。
特に国内農業の衰退に目が向けられがちなように感じる。
しかしだ。
国内農業が衰退することになった要因を考えてみると
食生活の変化が最も大きな影響を与えているように感じる。
もちろん、農産物貿易の自由化による影響も否めない。
ここで食生活の変化について考えてみると・・・
周知の通り、ここ半世紀で日本の食生活というのは
コメと野菜中心だったのが
コメやパンと肉が中心の食生活に変化した。
これが自給率に大きな変化を及ぼしたものと考えられる。
肉食が台頭する以前の1960年代までは
食料自給率は60%あり、コメの消費量は120kg/人・年だった
それが現在では・・・
食料自給率が40%、コメの消費量は60kg/人・年を下回る水準まで低下した。
(コメの消費量は最近の穀物高の影響で若干増えているらしいが。)
極端な言い方をすれば、
コメを食べなくなったために自給率が低下したと言える。
そして国内農業の衰退も。
この前提を元に、逆に考えれば
コメを食べれば自給率は上がるとも考えられる。
どこかで聞いた話だが
一人一人が毎日パンを食べる代わりにご飯を今まで以上に食べれば、
(パンを1個→ご飯茶碗に一杯といった具合にすれば)
自給率は1%上がるらしい。
この理屈は想像がつくと思うが、
コメについては消費量が増えようが減りようが関係ない。
コメの自給率は95%でほぼ変化しないのだから。(※)
ポイントになってくるのは小麦の消費量である。
小麦の消費量を減らせば自給率も上がってくる計算だ。
それと肉。こいつが曲者なんだ。
肉の自給率ってのは意外と高く、
オーストラリアやアメリカ産が台頭している牛肉でも40%の自給率がある。
しかし、国内産穀物で肥育された数字だと・・・10%近くまで下がる。
ということは、肉需要が高まるということは
それだけ穀物需要も高まる。(肉1kgに対して小麦1000kg)
仮に国内で肉生産を増やそうとしても
家畜に向けられる国内産穀物なんてあるわけもなく当然飼料を輸入に頼る。
すると自給率は下がる。
とりあえずここで言えそうなことは
パンと肉を食べるのを控えれば自給率が向上しそうだ
ということだね。
さて、この辺の話を書いていて
WTO交渉について色々と考えが浮かんできたので
次回はWTOがらみ(農産物貿易自由化交渉)の話にしようか。
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