2008年7月31日木曜日

農業変革の一方策。

WTO交渉決裂。

日欧米の枠組みでは合意に至ったように見えたが。
日本の存在感は皆無。
ブラジル・インドの台頭が目立った。

日本農業に変革の猶予が与えられた。
次回の交渉までは5~7年近くかかる言われている。

それだけの期間があれば
本気で変わろうと思えば変わるはず。

しかし、それをやってのける人が不在だ。

農業の変革は難しいが不可能ではない。

昨日、彼女とこんな小難しい話をしていたときに気がついたことだが
農業をはじめとして、今の日本を取り巻く種々の課題は
社会システムにひずみが生じていることの表れだろう。


少なくとも農業に関しては、
食料生産の現場に高等教育を受けた技術者・研究者が
皆無に等しいということが問題。

もっと言うなら現場には彼らを生かす仕組みが存在していない。

企業化などを通じて彼らの知能を生かす仕組みを構築できれば、
農業は革新する。

2008年7月29日火曜日

外部環境に適応せよ。

WTO交渉はいよいよ大詰め?
結局のところ重要品目は4%+2%といったところか。

日本農業の行く末は・・・。


いままで農業の衰退が問題になってはいたものの
抜本的な対応を取らなかったツケがこれからくるか。

農業の問題=農業生産(者)の問題
という認識が強い気がするけど、農業は生産者だけの問題ではない。

流通、機械、資材、加工・・・etc。

農業生産を取り巻くもの全てを見なければならない。


農業経営のあり方だけ見たって「木を見て森を見ず」の議論だよ。

農業生産を取り巻く全ての仕組みを見直して
再構築しなければならない。

小手先の対策をとっても仕方がない。

パラダイムシフトというか、イノベーションというか。



だからといって、多面的機能を強調したとて知れてる。
原理原則論が重要。

本質はなんだ?農業の使命とは?

シンプルに考えれば分かること。
「人々が生きるために必要な食料を生産すること。」

これに尽きる。


この使命を最大限果たすためにはどんな仕組みがいい?

今、今後5年10年見通したときに
どんな仕組みを構築して実行すればいい。

その仕組みがひずみを生むようになったら修正すればいい。


「いままでは・・・だった。」

そんな議論どーでもいい。

いま、最適な手段を選択し実行すればいい。


それをやらない限り、衰退するのは必至。

外部環境の変化に対応できない者は淘汰されるのが自然の摂理。



日本農業は外部環境(貿易自由化、食生活の変化等)の
変化に対応できていないから
今の状況に陥ったのではないだろうか。

逆に考えれば、
外部環境の変化に対応した仕組みを構築できれば
日本農業の繁栄が可能。

そこには腐るほどビジネスチャンスが眠っているはず。



生産者、農協、行政など農業を取り巻く全ての機関が
今までの仕組みを維持しようとする限り日本農業に発展はない。

2008年7月26日土曜日

食料自給率の話。part.3

さて、今回は前回に引き続き、WTO交渉がらみの話。


ちょうどいま、
WTO交渉(ドーハラウンド)が行われているため、
新聞を読んでいると何かと記事を目にする。

で、こやつはなかなかやっかい。


なんで農業ばっかり悪者にされないといけないんだ!
そう思う農業者も多いと思う。

さて、この問題が抱える問題を紐解いてみよう。


まず、WTO交渉とは何ぞやという話。

WTOというのはご存知の通り
世界貿易機関(World Trade Organization)の略。

WTOは簡単に言うと貿易自由化を促進するための国際機関。


で、このWTO交渉ってのは
要するに貿易自由化のために関税を撤廃したりしましょ
っていう交渉だ。

一見、関税が撤廃されるといいことづくめにも見える。

だって海外のものが安く日本に入ってくるし、
日本のものも海外で安く売ることができる。


しかし、だ。

そのいいことに見える点がやっかいで、
特にWTO農業交渉と言われている農産物貿易に関する交渉が
大いにもめている。

理由は複雑すぎて俺も整理しきれない。


ただ、分かっているのは
日米の問題として、
輸出補助金(アメリカ)と高関税(日本)という農業保護があること。

国内的な問題としては
攻めの鉱工業品と守りの農産物といったトレードオフを
日本が持っているということ。


恐らくこの交渉は日本が妥協させられて
農産物の関税を引き下げるか押し切って決裂になるか。

しかしここで強いことを言うと
鉱工業品の輸出促進のために他国に関税引き下げを迫れない。

だから日本は難しい立場にある。

また、農業が経済界からの批判にあってしまうのもそのため。


ちなみに日本のコメ、関税率は800%近い。
小麦でも250%近かったような。


そしてこの関税引き下げに応じると
ただでさえ低い自給率が更に低くなってしまうのでは?
という懸念がある。


この話の続きはまた今度。

2008年7月20日日曜日

食料自給率の話。part.2

食料自給率シリーズです。

part.1では自給率の数字にこだわる必要はないということ、
感覚的に「自給率が低い」ということが知られていない
ということについて考えてみた。

今回は何について書こうか。


食料自給率は高いに越したことはない。

なぜ、こうも低下してしまったのか。

一般的に言われている理由は
国内農業の衰退と食生活の変化といって間違いないだろう。

特に国内農業の衰退に目が向けられがちなように感じる。


しかしだ。

国内農業が衰退することになった要因を考えてみると
食生活の変化が最も大きな影響を与えているように感じる。

もちろん、農産物貿易の自由化による影響も否めない。


ここで食生活の変化について考えてみると・・・
周知の通り、ここ半世紀で日本の食生活というのは
コメと野菜中心だったのが
コメやパンと肉が中心の食生活に変化した。


これが自給率に大きな変化を及ぼしたものと考えられる。

肉食が台頭する以前の1960年代までは
食料自給率は60%あり、コメの消費量は120kg/人・年だった

それが現在では・・・
食料自給率が40%、コメの消費量は60kg/人・年を下回る水準まで低下した。
(コメの消費量は最近の穀物高の影響で若干増えているらしいが。)



極端な言い方をすれば、
コメを食べなくなったために自給率が低下したと言える。

そして国内農業の衰退も。


この前提を元に、逆に考えれば
コメを食べれば自給率は上がるとも考えられる。

どこかで聞いた話だが
一人一人が毎日パンを食べる代わりにご飯を今まで以上に食べれば、
(パンを1個→ご飯茶碗に一杯といった具合にすれば)
自給率は1%上がるらしい。

この理屈は想像がつくと思うが、
コメについては消費量が増えようが減りようが関係ない。
コメの自給率は95%でほぼ変化しないのだから。(※)

ポイントになってくるのは小麦の消費量である。
小麦の消費量を減らせば自給率も上がってくる計算だ。


それと肉。こいつが曲者なんだ。

肉の自給率ってのは意外と高く、
オーストラリアやアメリカ産が台頭している牛肉でも40%の自給率がある。
しかし、国内産穀物で肥育された数字だと・・・10%近くまで下がる。

ということは、肉需要が高まるということは
それだけ穀物需要も高まる。(肉1kgに対して小麦1000kg)
仮に国内で肉生産を増やそうとしても
家畜に向けられる国内産穀物なんてあるわけもなく当然飼料を輸入に頼る。
すると自給率は下がる。


とりあえずここで言えそうなことは
パンと肉を食べるのを控えれば自給率が向上しそうだ
ということだね。


さて、この辺の話を書いていて
WTO交渉について色々と考えが浮かんできたので
次回はWTOがらみ(農産物貿易自由化交渉)の話にしようか。

訴えても仕方ない。

農業団体なんかの動きを見ていて
特に違和感を覚えるのは署名活動や集会を開くということ。

農家の生活が苦しいことを政府に要望する。


それ自体は悪いことでもなんでもないが、
いいこととも言えない。

なんでそれしかできないの?と、言いたい。


もっと頭使えよ。
どうやったら儲かるのか。収益があがるのか。

そう思う。


だから学生なりの視点で農業の未来を創造したい
そう考えるようになったのかもしれない。

まずは理想ありき。

どんな姿・形が望ましくて
そのために何をしていかなければいけないのか。

その実現のためにはどのような努力が必要なのか。


それを考えたい。


前向きに、何をどうすればもっと良くなるのか。

農業をとりまく環境が厳しいのは訴えなくてもみんな知ってる。

それをどう乗り越えていくのか。
これを考えることこそ今、すべきことじゃないのか?

2008年7月15日火曜日

食料自給率の話。part.1

最近になってよーやく
食料自給率が低いということがマスコミでも
取り上げられるようになった。

日本の食料自給率はご存知の通り39%(カロリーベース)。

ここ5年くらいずっと40%だったのが
今年になって39%と40%を割り込んだ。


ただ、この自給率の話、
あまり数字にこだわらない方がいいと思えてきた。

と、いうのも40%だろうが39%だろうが、
そこには大して意味はない。

この数字が示す重要なポイントは
「日本人の腹を自国の食料で満たそうと思ったら半分も満たせない」
ということにある。


しかしだ、今の日本での食生活において
40%という数字に実感が持てるだろうか。

恐らく持てないだろう。


何故か、コメとパンの製造表示にその答えの手がかりがある。

コメは○○産米といった具合に
どこでとれたコメか分かるようになっている。

しかしパンの場合はどこの工場で作られたかは分かっても
原料である小麦の原産地がどこか丸で分からない。

それじゃ、実感が持てなくても仕方ない。


生鮮物なんかは原産地表示されているが
加工されたものは原産地の表示がない。

それじゃ感覚としてどれくらい海外の食料に依存しているのか分からない。


数値的に自給率が低いことを言うよりも
感覚として自給率が低いと言うことを認識させるような
取り組みの方が重要ではないだろうか。

そう考えるとパンや豆腐、味噌、コーンフレークといった
加工食品は原料の生産地表示を義務付けるべきだと思えてきた。

それだけで消費者サイドとしては
無意識のうちに生産地を意識するようになるのではないだろうか。


そこで俺が前々から言っている主張だが、
大学生協や外食産業なんかで自給率表示すると面白いと思う。
栄養表示できるんだから可能でしょ。

そしたら自給率を意識させられてしまうように思う。

事実、栄養表示は何故か気になるし。
特に塩分とか。(高血圧の血統なもんで。笑)



とにもかくにも、自給率を向上させるのであれば
まず感覚として自給率が低いことの実感がないのだから、
これを実感させる取り組みが必要である。

そう思う。

2008年7月8日火曜日

農業の面白さ。

「マイペース酪農」三友盛行/農文協・2000.3
を研究室の教授に薦められて読んでみた。


酪農のあり方について非常に考えさせられた。
今まではいかに乳量を向上させるかが至上命題だった酪農に対して
真っ向から批判して、
どのように「マイペース酪農」を実践しているのか書かれている。


この本の中で農業の面白さに関する記述が
あったので紹介したい。

===

すべての事象をよく見る、観る、看ることです。

そして、自分の今までの経験、知識を足して想像、推理、創造し、
的確な判断のもとで行動し実践する。

それができるところに農業の面白さがあり、
力量発揮のしどころなのです。

===

それを面白いと感じる人は農業に向いているのだろう。
そう思う。

2008年6月30日月曜日

農学栄えて農業滅びる。

このセリフを初めて聞いたのはいつだっただろうか。

大学に入ってからだったように思える。


最近、ビジネスチャンスはないかと
アンテナを張っていると感じることがある。

「農学栄えて農業滅びてるな」、と。


農学に関する研究は非常に進んでいると言っていいだろう。

バイオサイエンスなんかは特に。

農業のIT化もかなり進んできている。
リモートセンシングやらロボットトラクタやら。


これが他の産業だったら
どれだけ可能性を秘めた技術として存在するのだろう
と最近よく思う。

このような最新の技術を農業の現場で使う人がいない。
ビジネスに昇華させる人がいない。

これが今の農業の衰退を招き、
農学のみが栄える結果を招いたように思える。



技術を利用したビジネスを創造することによって
農業は大きく発達する可能性を秘めている。

せっかく技術が沢山あるのだからビジネスに利用しない手はない。

そんな風に感じている。

2008年6月18日水曜日

穀物高騰と日本の稲作。

ここ半年の穀物価格の高騰はすんごいね。
カップ麺の価格の推移を見ていると変化がよく分かる。

以前なら100円、安いときなら88円で買えた
カップヌードルなんかも
今は安くて128円といったところ。

まぁ、最近落ち着いてきた気配もあるが。


ただ、以前と比べて
穀物価格が高止まりするのは間違いないだろう。

理由は以下の3つ。
・ BRICsの台頭による穀物需要の拡大
・ バイオエタノール需要
・ 干ばつによる供給量の縮小

バイオエタノール需要は現在、
批判が起こっているので縮小していくだろうが、
BRICsの台頭と干ばつによる影響は今後も続くと考えられる。


で、穀物高騰が日本農業に思わぬ恩恵をもたらしている。

コメの注目だ。

パン・麺類の値上がりに伴ってコメに回帰しているらしい。

確かに自分自身もコメを食べる回数が
若干増えた気もする。


で、コメに回帰したということは
まぁいいことではあるのだが一つ懸念すべきことがある。

小規模稲作農家を温存しておいていいのか。

ということである。


別に小さいこと自体は問題ではないが、
保護農政下で大切に守られてきたコメ農家が
「だからコメは守れっていったろ。俺達を守れ」
なんて言うようにならないかが心配。


農家サイドはここで「保護せよ」と言ってはならない。

この機会をチャンスと捉えて
今のコメに消費者の目が向いているうちに
もっと消費者を惹き付けるような経営努力をしないといかん。

小売業者と組んで
プライベートブラントとしてコメを作るもよし、
法人化してコメ作りたいやりたいヤツが
コメをやれるシステムに取り組むもよし。

これは稲作以外の農家にも言えることだが。


このチャンスを利用してただ生きながらえるのか。
それとも一歩前に進むのか。

しかと考える必要がある。

2008年4月21日月曜日

食糧援助はうさんくさいよ。

最近、穀物高の影響で
世界各地で暴動が発生しているらしい。

で、アメリカが緊急援助を実施するらしい。

そこで思った。

食糧の緊急援助って
なんて食糧輸出国にとって便利な政策だと。

通常は食糧増産のための援助
(技術援助などのソフト面ね。ダム作ったりは二の次でいい。)
を行わずに
極めて食糧に困っていると見るや援助を表明。

食糧援助を実施すれば
「あの国はなんていい国なんだ」と、国際的な評価は高まる。

その一方で
彼らは食糧の供給国には成り得ないから
競争相手とは成り得ない。

評価は高まるが余計な競争相手は作らない。
生かさず殺さず的な手法だよ。


食糧援助なんてしたって意味がない。
彼らが彼ら自身である程度の食糧を確保し経済力をつけるような
サポートをしなければならない。

開発援助ってやつですかね。

現地での農業生産に適した生産技術を開発して
普及させねばいかん。

インドネシアあたりでは最近、
現地にあったコメの品種の開発・普及や生産技術の普及を
行ったりもしているらしい。

日本は食糧援助はすべきでない。
自国の食糧さえ他国から買っているのだから。
カネに任せて買い集められた食糧は
受け入れられても喜ばれるとは思えない。

それよりも世界的な食糧生産能力の向上に努めるべき。
そっちの方がよっぽど喜ばれるのではないだろうか。

2008年3月23日日曜日

協同作業

昨日、今日とビートポットのハウスへの搬入作業を
手伝ってきました。

写真でも撮ってきたらよかった。


ビートポット・・・米で言うところの苗床か?



で、この作業は毎年、地域の農家6件が集まって
共同で育苗センター(ビートポットを作る施設)から
各戸への搬入作業を行っている。

で、この協同作業をふと傍目から観察してみると
面白いことに気がついた。

「旗振り役がいねぇ!!!」


陣頭指揮を取る人がいないのだ。

なんとなく、それぞれが担当する役割が決まっており
自分で何をやるべきか判断して
その役割(=仕事)を行っているのだ。

いわばジャムセッションといったところだろうか。


毎年同じような人が同じようなことを行っているからこそ
成り立つ形なんだろなと思った。

また、あえて役割を明確にしないことによって
「助け合い」が成り立っていることにも気がついた。

ガチガチに役割を決めてしまうと
官僚機構に代表されてしまうように縦割りで柔軟性に欠ける
組織体になってしまう弊害を持っている。

あいまいが故にその時と場合を考えて何をすべきかを考えて
行動することが各々に求められており、
故に欠けている部分に気が付いた人が補い合う仕組みになっている。

協同作業の動き方ってのは非常に面白い。

社会学的に捉えてみると
非常に面白い考察が書けるのではないだろうか。


===

農作業ってのはTPO(Time:時,Place:場所,Occasion:場合)によって
為すべき仕事が変化するから
自分で考えて行動する必要に迫られることが多い。

(もちろん言われたことだけやる人もいるが)

故に俺は自分で考えて行動できるのかもしれない。

と、ふと思った。(←カンチガイ)


自分で考えて自分で行動してなんぼ。
それが農業かもしれん。

2008年1月26日土曜日

牛乳の値段が上がるらしい。

最近、ちょいと気になるのが乳価引き上げの話。

穀物の価格が高騰の影響を受けてか
酪農家を直撃しているらしい。

で、ホクレンと乳業メーカーの間で生乳の価格が
8%増の79.2円になることで妥結したらしい。
(by1月25日道新)


しかし、道新のスタンスは疑問が大きい。
酪農が他産業に与える影響が大きいので
国や道は積極的に支援すべきだと。

う~ん・・・。

違和感を覚える。


まぁ、この道新のスタンスはさておき、
乳価を上げるのは確かに止むを得ないことであろう。

しかし、牛乳は他の飲料と比べて高い。

メグミルクの希望小売価格は実は230円だったようだ。
まぁ、値上がりして240円になるようだが。

生協で1本200円弱だったかな。


ここで疑問が沸く。

何故、生乳の価格はリッター当たり
79円なのに店頭では200円近くなってしまうのか。

製品化、流通の過程で
どうしてもマージンその他の経費が発生するため
であるのかもしれない。


それはそれで仕方ないとして、
乳業メーカーは牛乳市場が縮小している現状を
どうとらえているのだろうか。

仕入れ価格が上がったから価格に転嫁せざるを得ない。


これはある意味当然の姿勢だが、
値上げに伴って市場の縮小に拍車がかかってしまう
のではないだろうか。


ミルクランド北海道は結構、
白いプリンも北海道の菓子メーカーがやってるだけ。

あれ?乳業メーカーは??

乳業メーカーにおいて
牛乳・乳製品の市場を広げる取り組みが
進んでいないように思うのは俺だけ?


まぁ、このまま行けば牛乳の市場が縮小して
結局価格を下げざるを得なくなってその影響が
酪農家に行く。

そうなれば酪農家はやっていけなくなって
廃業に追い込まれてしまう。

もちろん価格引下げでメーカーの経営も苦しくなって
廃業の危機に立たされるかもしれない。

そんなシナリオも考えられる。



乳業メーカーと酪農家の
企業努力が問われているように思います。

2008年1月13日日曜日

農業の社会的な意義・役割とは。

ふと思った。
農業、農業者の果たすべき役割とは何だ?と。

日本農業は基本的に家族経営。
故に農業者として第一に家族の生活を守る。
ということがあるだろう。

しかし、それだけで農業は経営できるものだろうか。

自分の家族の生活を守るために働くのは
第一であっていいと思う。

しかし、それだけではなく、
果たせる役割はちっぽけでもいいから
仕事の社会的な意義・役割を
見据えておく必要はないだろうか。

「あなたは何故、何のために農業をしているのですか?」

その問いにきっぱりと
回答できる農家がどれだけいるだろうか。

近所の農家はもちろんのこと、
お世話になった農家とここまで深く突っ込んで話をしたことは
皆無に等しいので分からない。
(酒に酔って覚えていない可能性もアリ。)


ただ、上述した問いに対する回答として
「実家が農家だから」
「サラリーマンはやりたくないから」
などのネガティブな回答が多いように感じている。

だから農業は魅力的でないんだよ。
そう言いたくもなる。


もちろんきっかけはそうかもしれない。
でも、農業を「経営」するからには農業の社会的な意義・役割を
見据えていてもいいと思う。

そうじゃないと仕事が面白くないと思う。


そこで農業の社会的な意義・役割とは何かについて考察したい。

俺が考える農業の意義・役割は
「食料を安く安定的に生産し人々に供給すること」
である。

多面的機能とかそんなのは二の次でいい。


食料とはどんな性質を持っているのか考えてみた。


1.食料とは人々が生活する際に必ず必要とする財である。

これが失われると人間の生存、
すなわち安全保障に関わる問題が発生する。

戦後の食料難やらアフリカの飢餓を見れば自明である。

車やパソコンがなくても生きることはできる。
仮にいくらお金を持っていようとも
食料が手に入らないとなれば死を待つしかない。


2.食料とは気象によって生産量が変動する財である。

これも敢えて言わなくても分かることではあるが、
気象の影響を受けやすい。

ここ数年のオーストラリアやアメリカの干ばつに代表されるように
その年の気象によって生産量が大きく左右される。
93年だったか、冷夏によって
米の大凶作が発生したことも記憶に新しい。

生産量が著しく低下し、
需要に対して供給量が少なくなれば価格が高騰するのは
言うまでもない。


食料はこの2点の性質を特に持っていると考えられる。
他にもあるかもしれないが。

そしてこの2点の性質が
「安く・安定的に」というキーワードの根拠である。



さて、もう一つのキーワード「供給すること」について考えてみる。
この観点がポイントである。

いくら価格が安く手ごろであっても、
安定的に生産できたとしても、
需要に応えていなければ食料を生産する意味がない。

特に日本のように食文化が多様化したマーケットにおいては
人々が何をどんな物を求めているのかというニーズを敏感に察し、
そのニーズに応えなければ
食料を供給するという役割を果たせない。

iPodを欲しがっている人にMDプレーヤーを売ったところで
それは押し売りでしかない。

故に供給するためにマーケットのニーズを読み取り、
ニーズに応える財を供給してこそ意義のあることだと思う。



以上より農業とは、
食料を安く生産することと安定的に生産することで
価格の高騰を避け、
手ごろな値段で人々が食料を確保することを容易にすると共に、
人々が求める品物を生産することで人々のニーズを満たすことに
社会的な意義・役割があるものだと考える。


では、そのためにどのような手立てが考えられるかという点について
アイディアとしては
・ 生産体系、資材・農産物流通体系の見直し
・ 気象と生産のデータ化
・ インターネットを利用したマーケティング

などがあるがこれはまた後日。

勉強不足故にあくまでもアイディアとしての話になるが
乞うご期待。

2008年1月9日水曜日

農業協同組合は必要か?

1回目のブログを書いてから1週間が経ちました。
週2回の更新というのはキツイかも分からん。

最近、よく思うのが農業協同組合という組織は必要なのだろうか?
ということ。


よく「農協のための農協」とか「農協は仕事をしていない」
といった批判を耳にすることがある。

ここで敢えて注意したいのは
農協の「機能」と「組織」は
分けて考えるべきではないだろうかということ。

親父とも話をするなかで、
また自らが経営していくと仮定したときに
農協の持っている機能は
農家にとって非常に重要であるということを感じるのも確か。

購買であったり金融であったり。

やはり個々の農家単独では非効率な資材の購入であったり
生産物の販売を
農協が一括して取りまとめることによって
効率化が図られているという側面もあるように思える。


しかし、農協はあくまでも組合組織である。
農家の集合体である。

一企業として考えたときに
農協という企業の経営力・競争力はいかがなものか?
という疑問がある。

どこの農協も同じだとは思うが
農協の組合長(民間企業でいう社長)は農家が務めている。

農家はあくまでも家族経営。

家族経営で意思決定及び業務の実行は基本的に自分、
人を動かす能力があるようには思えない。

ましてや組合という性格上、
トップダウンが認められる企業文化にはないであろう。

この2点を考えると、
効率的な農協の運営は行われにくいのではないだろうか
と考えざるを得ない。

そして、農協運営の非効率さが
農協批判につながっているのではないだろうか。


そこで常々俺自身が考えていることだが
組合から株式会社へ組織体を転換してはどうだろうか。
「農業協同組合」から「農業株式会社」へ。

株式会社という社長がリーダーシップを当たり前の形態に転換し
企業経営に精通した人材をトップに据えることで
経営の効率化が進められるようになると考えられる。

しかしその一方で企業として利益をただ追求することになり、
農家の利益にならなくなるのではないか?
という批判も考えられる。

しかし、会社にとっての主な顧客は
農家ということになる。

顧客に対して何らかの価値を提供できなければ
企業は存在し得ない。
すなわち農家に対しての価値最大化に
企業として務めるようになると考えられる。

そうすれば新しいサービスであったり
事業が創造されると共に、
企業経営の効率化が図られるようになるのではないだろうか。



農協のあり方に関してはまだまだ議論の余地があるとは思うが、
株式会社も選択肢の一つではないだろうか。

いかがなもんでしょう?

2008年1月1日火曜日

はい、1発目のブログです。

2008年もいよいよ始まりましたね。
明けましておめでとうございます。


さて、このブログは
日本農業系学生会議JASC実行委員会の代表が
日本の農業を主なテーマとして
つらつらと書き綴るブログであります。

完全に代表の主観によるブログ記事の展開なので
異論反論があった際には
コメントないしはJASC掲示板「畑の上の座談会」にて
議論を展開しましょう。笑

(実家にて風呂上りにスーパードライを飲んだため若干酔ってます。)


=====

では早速、本題に入りますか。

今日はとりあえず第1回目のブログということもあるので
自己紹介も交えつつ(自他称)エロ代表のゆーいちが
どのようなテーマについて興味を持っているのか洗い出してみるとする。


俺は実家が十勝が複合経営の農家である。

そのため農業に興味を抱くバックグラウンドは持っていて
当然なのかもしれない。

近所はみな農家。しかも50町歩から耕作する農家ばかり。

聞くところによると農協に頼らない経営を行う農家が
増えつつあるようだ。


そう、最近の関心事の一つに「農協」がある。

巷ではよく農協批判を耳にするが
詳しいところは知らない。

ただ、直感として
「農協は機能しなくなってきつつあるのではないだろうか」
と、思うところが大きい。

何せ農協を通さない農家が出てきているのだから。
細かい話についてはまた後日。



また、やはり欠くことのできない最近の動きとして
バイオ燃料の動きが気になる。

最近はリアルに食料の価格が高騰し始めている。
特に小麦・大豆由来のエネルギー利用が加速していくと
もっともっと食料の価格は高騰するであろう。

今の日本は豊かな経済力を背景とした「お金」で
食料を手に入れることが出来ているが、
お金で食料が買えなくなったらどーするんだ?と、
常々危惧している。

この観点から食料安全保障についての危機意識も高い。



さらに、FTAについても考えることが多い。
特に現在話題の日豪FTA。

こんなことを言ったら怒られるかもしれないが、
安部政権時に2度農水大臣が交代することになったのは
日豪FTAがからんでいるのではないだろうか。

と、勝手に推測している。

日本の農家は経済活動よりも政治活動に熱心故に。
冬になったら陳情に上がってる。
アホらしい。



そして、高校~大学と学んできている
農業土木への関心も全くないわけではない。

数年前に問題になった諫早湾開拓事業をはじめとして
現在の農業土木事業(正しくは農業農村整備事業、通称NN事業)は
日本農業に本当に貢献しているのか疑問である。

「農家のため」というよりは
「農村振興局&農業土木業者のため」という色合いが
強い気がしてならない。



とりあえずつらつらと大きく4つのテーマを取り上げたが
最近の最大の関心事は「アグリビジネス」である。

一旦、会社に就職した後に、
実家を継いで農業法人化を成し遂げた暁には
農業を基盤としたビジネスを展開したいと考えている。

なぜか。

「おいしい食料を出来るだけ安く国民に届けるのが農業の使命である」
と考えたからである。

この点についてもまた後日、述べることにしよう。

農業生産、食料生産を基盤として
ビジネスとして消費者のため、地域のため、日本のためにどのように貢献できるか
ということを突き詰めて考えていきたいと思う。



以上、テーマをまとめると

・ 農協の機能と存在意義
・ バイオ燃料と食料安全保障
・ 貿易自由化と日本農業
・ 農業土木事業の現状と今後の課題
・ アグリビジネスの展開方向と課題

のこれら5点について書き綴っていく方向でいます。

時には話題が少し脱線して環境であったり、
貿易にも話が及ぶかもしれませんが了承を。


基本的に気まぐれ更新を前提としていますが、
週に2回以上は更新できるように頑張りたいと思うので
よろしくお願いします。m(_ _)m

これからの「代表の小言」について乞うご期待。